なんでこんなやつがモテるのか!?
あたしはそんなことばっかり思ってるのに紗矢ちゃんにはわからないらしい。多分すっごい王子様のように目に写ってんだろーね。
「いいなぁ、夏夜は」
紗矢ちゃんがうっとりした目であたしを見てくる....。
「はぁ?どこがよ?」
「いっつも匡太君と話しててさ」
「話してるっていうかケンカしてるに近くない?」
「もぅ!それがうらやましいの!」
「そうかなぁ....」
言われてみれば匡太とケンカしてる女子ってみたことない。匡太は基本女子には優しいけど....嫌いな人は徹底的にガン無視だもんなー。
バコッ!
「いった!」
「何俺ばっか見てんのー?もしかして俺に惚れたか!」
「バッカじゃない!?てか、痛いんだけど!」
ニヤニヤしながら平気でそんなことする匡太。やっぱりよくわかんない。
「あ、そーいや夏夜さ次の授業のプリント見してくんない?」
「え?そんなのあった....?」
「あったわ!まさかお前....」
「忘れちゃった♡やってくんの」
「バカじゃん!しょうがねーなぁ、ほらプリントだせ!」
「は?」
「だから俺が教えてやるから出せっていっての?ワーカーりーまーすーかー?」
「うっざいなぁ、まぁサンキュ」
そこは優しいと思うけど....。