「ええ、そうや。その簪、髪にさしたる」 そう言って古高さんは私の後ろから髪に簪をさした 「どうやろか?」 「よう似合っとる」 んー、そろそろ引き上げる? あんまり長居すると面倒だし 「すません、古高はん。私、この後急用あるの思い出した」 「それは急がな行かんな」 「それじゃあ、お暇させて貰います。……………また今度」 ないだろうけど、多分 女の姿では 私はそう思いつつも口には笑みを浮かべ 店を出た