「何見てたんですか?」 「あぁ、葉の色が綺麗に染まっているので見とれてたんです」 ほら、というように目の前の樹を指差す つられて見上げた私は言葉を失った 目の前にあるのは、紅い葉をつけた樹 その紅い葉は私達に降り注ぐ 懐かしく優しく愛しい そして、 胸の奥が辛くてどうしようもなくなる この樹の名は………………………… 「………………………………………椛」