それから、何日か過ぎていき

幕末にも屯所にも仕事にも慣れてきた頃

― 文久3年6月3日。

大阪相撲の力士と乱闘事件

その日がもう目の前まで迫っていた


「もう5月は終わりか………」


蒸し暑さに耐えながら汗を拭いつつ

私は横の槙に視線を向ける

歴史上にある出来事がもうすぐ起こる………

私にはどうすることも出来ないけれど


「そーだね、桐葉。暑いね。もうすぐ6月だよ。もっと暑くなるからね」


「……………だね」


私達はいつも通りに今日を過ごして
何事もなく次の日を迎えた