The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~

小中学校時代の長期休暇の間だけ。


そんな短い期間しか私は倶知安に滞在していなかったはずなのに。


この町で過ごした記憶は年月と共に濃縮され、再びこの地を訪れたあの日の感動をさらに増すきっかけとなったのだろう。




この町に住む人たちはみんな温かい。


だから私は、1人ぼっちになってもこの町に留まろうと思えたのだと思う。




「ご来店ありがとうございました!」




豊川のおじさんに手を振り、小さく溜め息を吐く。


仕事の手が空くと、また拓也の事を考えてしまいそうで不安になるから……。