The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~

―――「2、3週間、撮影で留守にするから。」




いつからか、拓也はこの家をよく空けるようになった。




北海道の自然が好きで、自分が永住する地をここに決めたはず。


それなのに彼は、この町から遠く離れた沖縄や瀬戸内海の写真を撮りに行くようになって……。




―――「眠いから今日は無理だよ。」




久しぶりに一緒に過ごす事ができても、夫婦の営みは疲労を理由にいつも拒まれた。




きっともう、彼は諦めていたのかもしれない。


このまま私と一緒にいても、自分が一番望んでいる“夢”は叶えられないかもしれないと。