朝のSHRを終え体育館に移動する為廊下に整列する。俺が廊下に出ると女子が騒ぎ出す。かっこいいと思われるのは嬉しいが、彼女が出来ないのが現実。俺は彼氏ではなく彼女が欲しい。

全員が並び終わったのを確認すると、俺のいるAクラスから順に下へ降り体育館に向かった。

※こっから説明だから読み飛ばしてもいいよ by,作者

この学校は共学普通課程の進学校。国立海城白麻(かいじょうしろま)大学付属海城高校だ。クラスはAからFまでの6クラスあり、AとBクラスは特進で成績上位者が入る。特進クラスの中でも更にトップの順位になる3位までに入る成績上位者は付属の大学へ入るのに国からの補助金が出るため授業料無料、その他の学費も全て免除となる為、俺はそれを目指しこの学校で常に1位になり続けて来た。

この学校は偏差値75を超えるそこそこ頭のいい学校で倍率も毎年5倍は越える県でも有数の難関校である。もともと勉強は好きで、中学まで友達らしい友達も少なく勉強しか取り柄の無いような俺にとっては勉強で上を目指せるならと、独学でもぎ取ったと言っても過言では無い地位であった。

頭が良いだけでなく、部活動にも力を入れている為人気は上場。種類が豊富なのもその理由だ。部活動推薦で入る人も少なくはない。先程の帆川先輩の様に県大会で記録を持ってる生徒は少なくなく、運動部、文化部共に全国大会常連校である。俺の所属する映画部もその一つだ。昨年の日本高校生映画コンクールに出した作品は最優秀賞を受賞し、実際に映画として地域限定で公開もされた。俺は映画部に所属はしているものの、運動が出来ないわけではない。他の運動部に借り出される事もしばしば。親友の華はチアリーディング部。毎年大会では全国へ行く常連校だ。去年は優勝を逃し惜しくも準優勝だったので今年こそはと熱くなっている。

人気はそれだけではない。この高校は女子の制服が他の比べて可愛く、規則も緩い。女子は見た目がセーラー服。セーラーの襟のついたジャケットにチェックのスカート。パッと見は真ん中がスカートに合わせたチェック柄で学年ごとに色の違うリボン、その他の部分がベージュとシンプルなデザインに見えるが、ジャケットを脱ぐと普通のワイシャツになっておりブレザータイプとなっている。リボンはジャケット着用時もブレザースタイルの時にも使える様にボタンで襟の下のボタンに留めるタイプとなっているのだが、長さ調節可能な為緩く付ける事も出来着こなしが自由と評判だ。男子用ではあるがネクタイの着用も可能である。色は学年ごとに別になっており、1年生が青、2年生が赤で3年生が緑、これを回していくかたちをとっている。その為制服を一目見ただけで学年がわかるのだ。

男子の制服はシンプルそのもの。ベージュのジャケットに、学年別のネクタイとズボン。Yシャツは女子もと共に指定の袖口が折り返してあり、制服のカラーにあったラインの入ったものに茶色のベルトだ。シンプルだが、着こなし自由なのでパーカーを着ても何色のカーディガンやベストを着ようとも問題は無くそこがオシャレの見せ所らしい。男子の着こなしもみなバラバラの為、見るとオシャレな着こなしの男子がモテる傾向にある。

勉学、運動、制服、校風まで人気だが、頭もそれなりに良い為特に問題が起こる事は無く自分達の事はキチンとできる生徒の集まる国立高校だ。