しばらくして、葵くんはお盆に乗ったうどんをもってきてくれた。
私はベッドから降りてテーブルのところまで行く。
うん、フラフラせずちゃんと歩ける。
葵くんが作ってくれたうどんは、あげとかわかめとかの乗った、ちゃんと手の込んだやつ。
「すごい…」
「すごいって、うどんだぞ」
「ううん。すごいよ!おいしそう」
「…そうか?まぁ、なら良かった」
葵くんはそう言いながら目をそらす。
照れてるんだろうか?
「ほれ」
「あ…ありがとう…」
ブランケットを肩から掛けてくれる。
その優しさに、顔が赤くなる。
…慣れてないって、本当に恥ずかしい。
こんなことでいちいち照れてしまうんだから。
「さっさと食って、さっさと寝ろ」
「はい」
そう言って渡された箸を持ち、うどんを掴む。
何度かフーフーと冷ましながら、私はうどんをすすった。


