「でも、皆さんを見て、少しだけ…自分がどれほど息苦しい場所で生きてるのか、狭い世界で生きてるのかって…。少しだけ、羨ましく思えました」
「ふーん…。ちょこちゃんも、いろいろあるんだねぇ」
「俺たちは、なんつーか、非難されるのも、不良のレッテル貼られるのも自業自得ってところあるから何とも思わないけどなぁ」
「親に生き方を決められるって、なんか、嫌だなあたし」
決められたわけじゃない。
そう、はっきりと言葉にされたわけじゃない。
ただ私が、その思いをくみ取って、刃向わないように生きて来ただけ。
その方が楽だから。
「だから、皆さんとこうしている自分が、とても不思議で。不釣り合いで…居場所が、ない気がして…」
「…不釣り合い?なにが?」
「なにがって…」
「まぁねー、あたしらみたいなギャルと不良が、優等生と一緒にいるなんて、…傍から見たら、うちらがカツアゲとかでもしてるみたいに思われても仕方ないけどね」
「違います!そうじゃなくて…」
竹内さんは、私の言葉をまったく悪くとらえてなんかなくて。
むしろ、自分たちのせいで私の評価まで悪くなるかもって心配してくれているんだ。
なんだか、私の方が小さい人間に思える。
見せ掛けを気にしていたのは、私だ。
傍から見てどう思われてるかを気にして、二人の誘いも断れなかったからと自分に言い訳をして。
「ごめんなさい…」
情けないよ。


