「そうそう、絶対相手の家か、ホテル。徹底してるよな」
…女をとっかえひっかえ、日替わり…。
そんな噂は、やっぱり本当だったのか。
「だから、ノリで言ってみたけど、絶対断られると思ってたもんね。今日のこと」
「ああ、俺も。だから、びっくりしてんのよ」
池田くんも竹内さんも、ウソは言っていないんだろう、
でも、余計なことまで赤裸々に話してくれている気がする。
…それにしても、でも、その話が本当ならおかしい。
だって、藤堂くんは、なんの迷いもなく私を家に呼んだ。
確かに、私は授業に出たいと言ったけど、だからといってそんなこと藤堂くんには知ったことない話だ。
それなのに、家に入ってほしくない人が、初対面である私を呼ぶだろうか?
だったら、この二人の話が嘘だとした方が、しっくりくる。
そんなウソ、つくメリットはどこにあるのだろうか。
それはわからないけど。


