「で、葵のうちってどこよ」
「お前、知らないくせに先先突っ走ってたのか」
先頭を歩いていた竹内さんが振り向いて言う。
…え?
竹内さんは友だちなのに藤堂くんの家を知らないの?
「だって、なんとなく…」
「俺も、あんま行ったことないんだよなー」
「そ、そうなんですか…?」
思わず、聞いていた。
今まで聞き役というか、会話にはあまり関わらず来ていたのに。
つい気になってしまった。
「ああ、あいつ。自分のテリトリーに他人いれるの嫌がるしな。変わった奴なんだよ」
「変わった奴…」
「仲間内でも葵んちに行ったことある奴いないんじゃない?それこそ、洸くらいでしょ」
「俺も、渋々だったぞ?友達だろ!って迫って一度きり」
…こんなにいつも一緒にいる友だちでも?
でも…。
「女とか、絶対家に呼ばないもんね、あいつ」
「へ?」


