「でも、いいよねー。こういう、いかにも汚れてませんって子。あたしも、ちょこちゃん気に入った!」
「あほ、先に目つけたの俺だしね!」
「あんたは、大笑いしただけでしょうが」
私を置いて、盛り上がっているこの二人の会話のタネは、なぜか私らしい。
だから余計に落ち着かなくて、しどろもどろ。
要するに、私みたいな優等生で真面目で、暗い人間が物珍しい、という話らしい。
ああ、そう言うことか。
だから、私を誘って、物珍しさを楽しもうと…。
そうだよね。
それくらいの、利用価値しかないのだよね。
いや、それだけでもあることを喜ばないといけないんだろうか。
「あ、ちょこちゃんごめんね、こいつバカで」
「俺かよ!」
「じゃあ、揃ったしいこっか」
「あ、はい…」
少しだけ、寂しいと感じる。
この二人を、少しでもいい人かもと思ってしまった私が恥ずかしい。
世界を変えるなんてできない。
変えたいとも思わなかったのに。
少しだけ、願ってしまっていたのかも…。