だからこそ、こんな人が、どうして私を誘ったのか謎なんだ。
私と鍋なんかしても、楽しくなんてないだろう。

だって、今でさえ会話がかみ合っているとも思えない。





「おーい!」

「あ、洸!遅い!遅刻だっつの!」




走って手を振る池田くんの姿。
相変わらず、チャラそうだ。
走る姿を見て、そう思うなんて、失礼な話だけれど。





「わ!ちょこちゃん、かわいい!」

「ちょっと、遅刻謝る前にそれ?」

「え。ああ、ごめんごめん」

「かる!」




池田くんは、やってきた途端おしゃべりだ。
さらっと、おかしなことを言ったのは、聞かなかったことに……。



「うわー、癒される!」

「うわぁ、洸が変態と化してる!」

「バカ言うなよ!俺の周りに、こんな清楚系がいないからいけないんだ!どうして俺の周りには、お前みたいなケバケバした女ばかり…」

「ちょっと、あたしにちょー失礼だからそれ!」




置いて行かれている。
確実に、私置いてかれてる。