たとえ迷惑がられてもいい。
私がスッキリしたいの。




こんなところで、声ををかけずに知らんぷりする方が…なんだか嫌な気分だわ。




よし。





…よし。






なんて、声をかけたらいいんだろう。
見れば、とても気持ちよさそうに寝ている。



それを起こすのは、気がひけるというか。





自分で決めたことなのに、ここに来て気がひける。
でも、迷ってても仕方がないわ。





「…あの、藤堂、くん…!」







私は、意を決して声をかける。
その声に、藤堂くんの肩は揺れ、ゆっくり瞳が開かれる。