私は、あの人たちに勝手に植えつけた印象であの人たちの人となりを見ていたのかもしれない。
例えばそれは、他の人たちから聞く噂だったり。
彼らの外見だったり。
話してみれば、案外普通の……。
なんて、考えすぎかな。
問題を起こしているのは、本当なのだから。
「平凡が、一番いいのよね」
「え?なに?平凡?」
「ううん。私は、今が一番幸せってこと」
ここが、一番落ち着くんだから。
あの人たちだって、私の事なんてその場限りではやし立てていただけ。
私が一人騒ぎ立てたところで、あの人たちの心には私なんてもういないのだから。
現に、藤堂くんだって、もう私なんて視界にすら入っていない。
昨日会ったことなんて、まったくなかったことみたい。
これでいいんだ。
忘れるの。
なにもかも。


