「でも、あなたも災難だったわね」
「はぁ…まぁ…」
なんだか、話が長引きそうな感じ?
私はさっさと行ってしまいたいのだけれど。
「というか、自己紹介がまだだったわよね!」
「え?」
自己紹介とか、いりませんから!
私は、もうあなたたちとはかかわりのない人間なんだから。
「私は、竹内梨奈。4組よ」
「俺は、池田洸。よろしく―!」
私を指さしたギャルと、昨日指さして笑った不良がそう自己紹介をする。
「…早瀬千世子です…」
「早瀬さんって千世子っていうんだ!じゃあ、ちょこちゃんって呼んでいい?」
「ちょこ…」
なにその適当なあだ名…。
それに、そんな呼ばれるほどこれから話すの…?
「いいね、ちょこちゃん!かわいい!」
池田くんもすっかりその気だ。
可愛い…の?


