「あ、昨日の!」



次の日、登校してくると靴箱のところで思いきり指を刺され叫ばれた。
その人は、昨日藤堂くんの隣にいた人。
そして、今と同じように私を指さした上に大笑いしてくれた無神経な人。


このグループの人たちは、どうして無神経な人が多いのかしら。




「…おはようございます」




無難に挨拶をして通り過ぎようとした。




「あ、昨日は―――…」




そんな私を引き止めるように言葉をつづける。
昨日…。
もしかして、藤堂くんに何かを聞いたのかしら。

私が“これくらい”の事で大騒ぎしたのだとか、ビンタをした恨みつらみをまさか、この人に……。






「あの、指差して笑っちゃってごめん」

「え――…」





予想外の言葉に足を止める。
そんなことを、謝るつもりだったの?