「ずっとじゃない?」


友恵は自分の名前を探そうとはせず、話し出した。



「高校入って、あの赤字で千世子以外の人の名前が書いてあるの、私見たことないよ」

「そ、そんなこと……」

「なくないでしょ」



言葉に詰まる。
そんなことを言われて、うん、と頷くのはなんだかおこがましい気がするし、ううん、と頷けば、それは嘘になるのだろうし…。


「それしか、取り柄がないから……」


そう言い返すしかなかった。
それが正しいから。
勉強くらいしか、取り柄がない私。
他の人に言わせれば、面白味がないだろう。


たとえば、ほら、あの人たちのように……。




「ぎゃははは‼︎‼︎」



順位発表の紙を見ながら大口をあけて笑う声。
ひときわ目立つグループがそこにいた。