「てか…、約束の時間30分も過ぎてるじゃん。なんで待ってんのよ」
「いや…、もし遅れてきたときに俺がいなかったらショックじゃん?そう思ったら帰れなくて…」
いい人は、あんたでしょう。
普通、そんな事気にしてまったりしないでしょう。
というか、あたしを責めたりもせず、なんて律儀なんだ。
「…しょうがないな。いってあげてもいいよ」
「そうですか。じゃあ、行こう」
彼は、そう言って優しく笑う。
こんな風に穏やかに笑う人、あたしちょこちゃんくらいしか知らない。
あ、こいつ、ちょこちゃんに似てるんだ…。
「あんたさ」
「洋介」
「…洋介、さ。あんた、社会人?」
「はい。26歳ですから。君は、学生だよね」
「…竹内梨奈。梨奈でいい。高2」
歩きながら改めて自己紹介。
なんか、変なの。
「梨奈ちゃん、学校楽しい?」
「楽しいよ。友だちに会えるし」
「勉強は?」
「嫌い。ほとんど授業なんて出てないし」
勉強なんて、好きな人いんの?


