「俺は、立花洋介。26歳。よろしくね」
「…なに自己紹介してるの」
「え?だって、名前も知らない人には奢られないんでしょう?」
この人は、バカなんでしょうか。
26歳と言えば、いい大人な気がする。
「お詫び、させてよ」
「……じゃあ、あれ」
しょうがないから、指を指したのはコンビニのガラスに張られていた広告。
そこに書かれていたクリスマス仕様のイルミネーション特集。
「あれ?イルミネーションとか書いてある?」
「あれに行きたい。それ以外ならいらない」
これくらい言えば、諦めてどっかいくでしょ。
誰が、初対面の女とイルミネーションなんて見るかっての。
「じゃ、そういう…」
「うん。いいよ。あれ、見たいんだ」
「は?」
今、いいよと言いました?
こいつ、救いようのないバカだ。


