「頭が破裂しそうだ」



日曜の午後。
葵くんの家で勉強会。
もちろん言いだしっぺは私。

せっかくやる気になった今頑張っておかないと!
なんて、スパルタ教師みたい。



でも、葵くんは文句言わずに勉強に勤しんでいた。
そして初めて一時間でようやく根を上げ始める。




「すごいね、葵くんの集中力。やっぱ、やればできるんだよ!」

「…そうか?俺、限界を感じる」

「上出来だよ!じゃあ、休憩しよう」




葵くんは机にうなだれかかる。
ぐったりした葵くんに何か飲み物を、と立ち上がる。



「冷蔵庫開けて、買ってきたオレンジジュース出してもいい?」

「ああ」




許可を取って冷蔵庫を開け封の開いていないオレンジジュースを出す。
コップに注いで葵くんのところに運ぶ。
葵くんは身体を起こし、それを受け取るとグイッと一気に飲み干した。




「…そういやさ」

「ん?」

「聞いたんだろ、繭子から」

「…あ…」




ドキリと胸が鳴る。