「次のテストの範囲は、ここ辺りからだけど、これは前ならった公式を応用してやる問題もあるから、基本のところから教えるね」
「…ああ」
放課後、図書室に向かった私たちは、さっそく勉強会を始めた。
まずは数学から。
ただテスト範囲だけをしていればいいわけじゃないから、少し時間がかかりそう。
「まずはこの公式なんだけど…」
葵くんにもわかりやすいように、教え方とか順序とかを考えながら説明していく。
葵くんは真剣な顔で聞きながら、頭を悩ませていた。
まったく授業に出てなかったわけじゃないし、出てた時にはなんとなくでも聞いていたみたいだから、「これ聞いたことある」なんてことも時々出てきつつ、ゆっくりと勉強は進んでいく。
「あ―難しい」
「うん。でも、わかってきたらきっと楽しくなるから」
「そうか?…じゃあ、もう少し」
「うん」
すごい!
葵くんが、こんなにも集中力を持って頑張ってる!
私は、感動だよ!
「じゃあ、この問題解いてみて?」
私がさした問題とにらめっこしながら解いていく葵くん。


