その日は一日葵くんは授業に出ていた。
先生はもちろん、クラスメイトも驚きを隠せない様子。
私も、葵くんのその変化に少しびっくりしている。
―釣り合うように
私と葵くんが釣り合ってないなんて思ってない。
でも、葵くんがそうやって私とのことを考えて行動を起こしてくれようとしていることは、嬉しいと思う。
それに、授業に出ることはとってもいいことだしね。
ずっと出てなくて出席日数足りなくなったら大変。
「一日出たけど、サッパリだ」
「あ、勉強?…一緒に勉強する?」
「ああ」
「じゃあ、放課後図書室で一緒にしよっか」
葵くん、なんだかやる気が出てるみたい。
今のやる気がある時に頑張れば、きっと伸びると思う。
万年最下位の葵くんをどうにか向上させてやる!
私はそんな不思議な闘志で燃えていた。
「どの教科からしようかな」
「なんか、やる気だな」
「葵くんのやる気に乗ってるの」
よし、頑張るぞ!


