｢葵くん…？」
｢…別に、千世子を責めてるわけじゃねぇよ。ただあいつがうざいだけ」
葵くんの視線の先には洸くん。
でも、洸くんも葵くんの変化を喜んでいるだけのように見える。
｢葵くんだって、本当は嬉しいんでしょ？」
｢…は？」
｢洸くんが、あんな風に喜んでくれること｣
｢…どうだかな｣
ほら、否定しない。
葵くんも照れ臭いんだよね。
｢でも、ちょこちゃんパワーだよね｣
｢え？いや、そんな…｣
｢そっか、葵もついに本気の恋をしたか」
｢だから、お前らほんと揃ってウザい｣
そんな風に言ってもらえて、私は嬉しい。
葵くんの気持ちが本当だって、皆からも見えてるってことだから。
｢いやぁ、本当にうれしいよ｣
｢…言ってろ｣
葵くんはとうとう反論するのも諦めたみたい。
