ザワザワと賑わう学校の廊下。
今日は中間テストの結果が貼り出されている。


特別進学校というわけではないが、大学を目指す人の方が多い普通科高校。
この順位を気にする生徒も多い。



「千世子は見に行かなくても決まりでしょー」

「なに言ってるのよ、決まってなんて……」



友だちの市川友恵と一緒にその結果を見に行っている私。
友恵の言葉に慌てて首を横に振った。


「ほら、千世子の名前なんてすぐ見つけられるのよ」



友恵がそう言って指差した先には順位が書かれた大判の紙。
ズラッと順位と名前が書き出されている。

そこには、
1 早瀬千世子
と赤字でデカデカと書かれてあった。


一位だけはそうして大々的に書いてあるのだ。