私は張り切って座席に座る。
「あの右下のペダル、見えるか?」
「うん」
座席の下を覗き込みながら言う葵くんに、私も覗き込みながら答える。
うんうん、確かに左右に一つずつある。
「右のがアクセルだから。それ踏めば進む。スピードも踏み方で調節できるから。まぁ、コツがいるけど」
「…う、うん」
「で、その左のペダルがブレーキ。スピードが出過ぎた時とか止まる時に使う。まぁ、止まることはないから」
「わかった」
一通り説明を聞き、私はハンドルを握る。
なんだか、ドキドキしてきた!
葵くんがお金を入れてくれ、再び賑やかな音楽が流れると、選択画面になる。
「どうする?」
「え、ど、どうしよう…。葵くん、選んで」
「んー、じゃあ、これと…これな…」
「うん!」
葵くんが選んでくれたプレイヤーと車。
そして、私の車はスタート地点についた。


