ゲームセンターはとても賑やかだった。
いろんな音が鳴り響いていて、驚いたけれど、なんだかわくわくする。


「ね、葵くん、あれは?」

「レーシングゲーム。車を運転して競うゲーム。…やるか?」

「うん!」




葵くんが最初に座席に座る。
まずはお手本を見せてくれるらしい。
葵くんがお金を入れると、軽快な音楽が流れる。
プレーヤーや車の種類とかいろいろ決めれるみたいで、葵くんはサクサクと選んでいく。



「これで、スタート…。普通にアクセル踏んで運転すればいいだけだから、見てろ」

「うん」




カウント後ピストルの音でスタートしたレース。
画面では葵くんの車が一気に加速し進んでいく。
今の順位は、あ、右上に出ているみたい。



「3位?」

「ああ…」

「すごい!」

「まだ、始まったばっかだっつの…っと、」




車は一進一退を繰り返しながら迫力のある戦いを繰り広げている。