映画の半券。
日時とタイトルを確認すると、俺と千世子が初めて一緒に見た映画の物だった。
これは、千世子の…?
なんでこんなもん、持ってんだよ。


さっさと、捨ててしまえばいいのに。
こんなの、ごみと一緒だろ。




何気なく、裏を見る。
そこには、千世子の字で…




“葵くんと初デート記念”
と書かれてあった。




「バカだろ…」




俺には気持はないって言ってあっただろ。
そんなデートを記念にすんなよ。


わかれたんだから、こんなもん、捨てちまえよ。




ごちゃごちゃした思考に頭が混乱する。
いったい、俺はどうしたいんだろう。





こんなにも、心を乱されるなんて……。