次の日、昼前に学校に行き、そのまま飯を食おうと食堂に来ていた俺。
洸は、今日は顔を見ていない。
あの絶交、結構本気なんだろう。
そういう奴だ。




ドンッ




前を見ていなくて、というかボーッとしていて人にぶつかる。
その瞬間に、思い出してしまう、あの時の事。

俺が持っていたざるそばを頭からかぶったあいつ。
自分の事より、俺のシャツの心配をしていたっけ。




「ご、ごめんなさい」




ふいに聞こえた声に、現実に引き戻された。
目の前にいたのは、そう彼女だったから。



「あ、ああ…」

「…ケガ、してない?」

「ああ」

「よかった…」





そう言ってほほ笑むと、俺をすり抜けて友だちの元へ急ぐ。
どうして、俺にそんな笑顔を向けられる?
俺は、お前を傷付けたのに。



「あ……」




足元に何か紙切れのようなものを見つける。
それには、見覚えがあった…。