別に、これでいい。
誰にわかってもらおうとも思わない。
俺とあいつ。
絶対に、関わり合うことなんてないと思ってたんだ。
俺は不良で頭も悪い。
あいつは優等生で学年トップの秀才だ。
いつも図書室でおとなしく本を読んでいるような奴。
教室でも、なにやら分厚い本を見ては、とても穏やかな幸せそうな顔で。
本の一つで、どうしてそんな表情ができるのか、とても不思議だった。
本なんて、読むとしても漫画くらいの俺には、理解できない世界だ。
俺の周りには、ガサツで、ギャルギャルしい女ばかり。
簡単に股を開いて、男にしなだれかかるような軽い女ばかり。
だから、あいつと偶然にも関わるようになって、あいつの反応は物珍しいものだった。
普段見ていたあいつの、そのままの反応だった。
俺の周りにはいない、その反応に、興味を持ったのは確かだ。
でも、知っていくうちに、俺とは住む世界が違うんだと思い知らされた。
優等生で、先公からも信頼されているあいつと、不良で先公に目を付けられている俺。
俺の居場所にあいつを引き込んでしまうんじゃないかと、怖くなった。
そんな時、突然の告白。
正直、嬉しかった。
そんな感情、初めてかってくらい。
でも、そんな気持ちすぐ捨てた。


