「まぁ、とにかく。葵はいい奴だってのは、自信持って言えるんだけどな…。女に関しては、投げやりな所があるから…」

「うん、前そういう事言ってたよね」

「どういうつもりで、葵がそういうことしたのか俺にはわかんねぇけど。理由はあると思う」

「理由…?」




私と、好きでもないのに付き合った理由?
そんなの、断りにくかった、とかじゃないの?





「…あたしはさ、葵とは高校で知り合ったから。でも、洸は小中も一緒なんでしょ?洸にはいろいろ話すんじゃない?」

「どうかなぁ。あいつ、秘密主義者な所あるから。まぁ、探りいれてみるわ」

「ごめんね、二人とも…」

「なに、いいってことよ」




任せとけ、とVサインを見せる。
本当にいい友達に巡り合えたんだと思う。
友恵と二人顔を見合わせ笑った。




「それにしてもさ、ちょこちゃんのクラス転校生来たんでしょ?」

「あ、うん。一ノ瀬くん。爽やかな好青年だよ」

「うわー、絶対お近づきにはなれないタイプ!」

「なんか、噂こっちまで聞こえてるよな。一気に女子の人気をかっさらっていったって」

「あ、はははは…」




その噂、あながち間違っていない。
一ノ瀬くんファン、結構いるみたいだし。