「徹夜…初めて?」

「は、はい…」

「…あんた、なんか、ほんとそのまんまだな」

「え…?」




そのまんま、とは?
それは、たぶん褒め言葉ではないのだろう。

その言葉の奥底を見れば、見た目通り、ということか。
…人の言葉の裏を読もうとする私の悪い癖。





「天然記念物、なんじゃね?」

「…天然…」





ここに来て、初めて見た笑顔が、天然記念物…。
なんだか、寂しい気もします…。





「あ、の…。そのシャツ…。洗濯します…」

「は?ああ、いいよ。別にこれくらい大したことねぇし」

「でも、…申し訳ないので…」




なんだかそのまま言われ続けられるのも嫌で話を戻した。
藤堂くんはなかなか折れない。