｢じゃあ、よろしく。早瀬さん｣
｢うん…。こっち｣
女の子の視線が、痛い。
どうして私に頼んでくるんだろう。
皆、同じところに行くんだから、周りに集まってた子たちにでも聞けばいいのに。
｢やっと抜け出せた」
｢え？」
｢いやー、ああやってキャーキャー言われるの、嫌いなんだ｣
｢そ、そうなの…｣
贅沢な悩みだ…。
言われたくても言われない人だっているのに。
｢俺のなに見てキャーキャー言ってんだよってね｣
｢…転校生って、珍しいし｣
｢まぁ、それもあるだろうね｣
なんだか、最初のイメージと、違う？
それこそ勝手に作り上げてしまっていた一ノ瀬君像だったのかも。
｢さっきのあの金髪の彼、感じ悪いよね｣
｢え？」
