キラキラ〜不良な君に恋してる〜




でも、最近葵くん私にすごく冷たい。
もっと、優しかったはずなのに。




ガラッ



扉が開く音がして、入ってきたのは葵くん。
見ると、葵くんはいたるところにケガをしていた。

唇の端も青く腫れているし、掌にも包帯が巻かれている。
いったい、どうしたの?




「葵くん…そのケガ…、どうしたの?」

「…あんたには関係ない」

「葵くん…」



私の心配は、いとも簡単に突き放される。
心配しては、いけないみたい…。





「初めまして。俺、一ノ瀬春です。今日から転校してきたんで、よろしく」




そんな気まずい私たちの空気を変えたのは、転校生の一ノ瀬君。
果敢にもそう言って葵くんに声をかける。




「…あっそ」



葵くんは、一言そう言った。
一ノ瀬くんは、ニコニコしたまま私に向き合う。




「次、移動教室なんだよね?俺、場所わからないから一緒に行ってもいい?」

「あ、はい…」




爽やかな笑顔にそう言われ、私は頷く。
教科書を取りに席に戻った。