放課後、この前行きそびれていた図書室へ向かう。
今日はいないで…と念じながら。
その不安は杞憂に終わり、無事図書室までたどり着くことができた。
図書室は、私以外の人はおらず、静けさが包む。
司書の先生も今は席を外していると、札が出ていた。
私は、本棚を回り気になる本を探していく。
恋愛ものでも借りようか…。
となんとも単純な思考に思わず一人で吹き出した。
「あ、これにしよ…」
今話題になっている新人作家の恋愛小説。
後は何冊かピックアップし取り出した。
少し読んで帰ろうと机に本を置き座る。
早速、その恋愛小説を手に取った。
彼氏いない歴=年齢の冴えないOLが、突然現れたイケメン会社員と恋に落ちる。
そんな、よくある設定の話だった。
冴えない女の子と、イケメンの男の子。
なんとなく、私と重ねてみる。
…ううん、でも、違う。
冴えないと言ったって、このOLは、仕事を懸命に頑張っていて、その姿をイケメンに見初められるのだ。
私は…。
逃げてばかりの自分を思い返す。
見初められるはずがない。
…なに、本を読んで落ち込んでいるんだろう、私は。


