私は、顔立ちだって目立たないし。
スタイルだって、太ってはいないつもりだけどいたって普通。
特別誰かより秀でていることなんて…。
無駄にいい頭くらいだ。
頭のよさなんて、恋愛において…特に対葵くんには全く有効ではないだろう。
「…絶望だわ」
「バカね。そういう人を好きになったんだから、頑張るのよ!無謀が当たり前!あいつ、陰で結構モテてんのよ!知ってるでしょ?」
「わかってるよ…」
そんなこと考えて好きになってない。
だから、今更怖くなってきた。
皆怖くてその思いを秘めているのに。
果敢にも私がぶつけてしまった。
「応援してるんだから、頑張りなさいよ!」
「う、うん…」
私って、やっぱりとんでもない人を好きになってしまったのかしら。
「にしても。今日も見ないわね」
「…うん」
そんな葵くんは、今日も姿を見ていない。
私の言葉なんて、やっぱり聞いてはくれなかったんだろう。
辛いけど、それが当然のようにも思う。


