「えええー!!!」
「友恵、声が大きい!」
食堂で週末の話を友恵にすると、驚きに声を張り上げる。
私はそれを制するのに必死だ。
私だって、そんなこと言うつもりなかったんだから。
「で、返事は?」
「怖くなって……逃げちゃった…」
「はあ?」
呆れたような友恵の顔に私は縮こまる。
「だって、…思わず言っちゃってどうしたらいいかわかんなかったから…」
「だからって、返事も聞かずに逃げてくる人がいる?」
「うぅ〜」
つくづく。
ほんと、自分が嫌になる。
「ま、千世子らしいけどね」
「らしいって…」
「ま、気持ちが伝わっただけでも前進じゃない?」
「そうかな……」
気持ちを伝えてもなんだか、スッキリしないんだ。
それは、葵くんの返事を聞かなかったからなのか。
それとも、この前見たキスのせいなのか。


