「私…葵くんの事、もっと知りたい」
「は?」
「もっと……知りたいの」
「なんで」
葵くんの言葉が真っ直ぐ投げられる。
私は、息を整え真っ直ぐ葵くんを見た。
「葵くんのことが、好きだから……」
告白なんて、するつもりなかった。
その気持ちに気付いたのだって最近で。
それでも、溢れ出した想いは真っ直ぐ葵くんに飛んでいく。
時が、止まったように。
「じゃあ、明日は学校に来てね!」
葵くんの答えを聞くのが怖くて逃げ出した。
私は、逃げてばかりだ。
葵くんに会えた。
それだけで十分。
それだけで、いいんだ。
あまり多くは求めないよ。
だからね。
ただ、側にいられるだけでいいから。


