「はぁっ……はぁっ……」
肩で大きく息をする。
手が、震えてる。
怖かった……。
男たちの下品な笑い声が耳に残る。
「お前、なにしてんだよ」
葵くんの厳しい声が響く。
私は肩をビクッと震わせる。
「あんなとこ、あんたがいくような場所じゃないだろ!」
「葵くんに会いたくて……」
「……は?」
「最近、学校にも来てないみたいだし……ああいうとこに行けば葵くんがいるんじゃないかと思って…」
やっぱり迷惑だったよね。
私が葵くんに少しでも近づけたんじゃ、なんておこがましい。
「ひよこには関係ないだろ。俺がどうしようか」
「…そう、だけど……」
そんな、悲しいこと言わないで。
胸が痛む。
「私、謝りたくて…。友だちが言ったこと、私すぐに否定できなくて…ごめんなさい」
「…別に。事実なんじゃねぇの?」
「え?」
「真面目なあんたには俺みたいなんは悪影響だろ」
「そんなことない!」
そんなこと、言わないで!
思わず叫んでた。


