バキッ!!!!
鈍い音がして私に伸びてきていた手が一つ消えた。
それを合図に、次々と鈍い音が響く。
目を固く閉じていた私は、ゆっくりと瞳を開ける。
「…葵くん…」
綺麗な金髪。
それを見て、私はホッとして足に力が抜けた。
葵くんは次々と男たちを殴り飛ばしていく。
4人いた男たちは、たった一人の葵くんに簡単に伸されていった。
「も、もういいよ!葵くん、やめて!」
通りが騒がしくなるのに気付いた私は葵くんに慌てて縋り付く。
こんなところ、誰かに見られたらきっと葵くんが…。
「逃げよう!」
私は無我夢中で葵くんの手を引っ張って逃げていた。
会いたかった葵くん。
どうして、助けてくれたの?
私の事、知らないって言ったくせに。
でも、嬉しかったの。


