それでも、その週はとうとう一度も葵くんの姿を見ることはなかった。
いったい、どうしてしまったんだろう。



アパートに行ってみようかと思ったりもしたけど。
私がそんなことをするのは絶対に葵くんだってよく思わないはず。

でも、洸くんが家を訪ねてもいつも留守のようだった。





「はぁ…」





ため息一つ。
葵くんに、会いたい。


冷たい目で見られたとしても。




どこかに葵くんの姿はないかと、街中を当てもなく歩いてみる。
どうしてこんなことをしているんだろう。


こんなことしても、広い街中で葵くんに会える可能性なんてゼロに近いのに。



それでも、じっとしていられなかった。




葵くんに、ちゃんと謝りたい。
ごめんねって。
そんなこと、思ってないからって。






だから、お願い、葵くんに会わせて。