葵くんには、あれ以来会えていない。
同じクラスなのに、ということは授業にも全く出ていないのだ。

最近は、梨奈ちゃんたちとも一緒にいるのを見かけない。
二人に聞いても最近会っていないと言う。



「ほら、ちょこちゃん。暗い顔しない」

「うん…」

「私のせいかな…。私が、千世子に悪い影響があるとか言っちゃったから…」



そのことを、友恵が一番気にして悩んでいる。
自分が言った発言を、後悔し気にしているんだ。
私は何度もそうじゃないって言ったんだけど…。




「そんな事言われて、へこたれるような葵じゃないと思うけどな」

「そうそう。どんな噂立てられたって別にって感じなのに」

「そんな葵が、それくらいの事で荒れるって、相当じゃね?」




頭を抱える。
葵くん、いったいどうしたの?

私に会いたくないとかはいい。
でも、梨奈ちゃんや洸くんとまで会わないなんて。





「まぁ、会ったら話してみるわ」

「ごめんね、二人とも…」

「なに言ってんだよ。俺たちだって、あいつの事心配なのは同じなんだからいいの!」




そうだよね。
友だちなんだもんね。