葵くんに、謝ろう。
そして、友恵にもわかってもらおう。
私ができることから始めよう。
「友恵」
「ん、なに?」
休み時間。
友恵の席に向かい声をかけた。
人気のないところに友恵を呼び出す。
ドキドキする。
「どうしたの、こんなところに呼び出して」
「あのね…。葵くんの事…」
「…ああ」
友恵は、どこかぎこちなく笑った。
私は友恵に、全部話した。
初めて会った、あの食堂から出た後の事。
そして、梨奈ちゃんや洸くんに会ったこと。
パーティーの事、そしてこの前の熱の日の事。
一つ一つ丁寧に。
自分のその時の心情も交えながら。
「私もね、葵くんや梨奈ちゃんや洸くんって、噂通りの不良やギャルで怖くて、近づきたくない存在だと思ってた。でも、それぞれいいところがあって、優しくて、本当にいい人たちだったの」
「…うん」
「だから、周りの評価なんて気にせずに、私は梨奈ちゃんたちと仲良くしたい。できれば、友恵にも仲良くしてもらいたい。友恵は、私の一番の友だちなんだから」
「千世子…」
「友恵がいなきゃ、ダメだから。私をずっと支えてくれたのは、友恵だからね」