「ちょこちゃん。あいつ、本当にいいやつだし、ちょこちゃんの目は正しい。だけど、あいつは大変だよ?」

「…うん」

「前にも言ったけど、葵は誰にも本気にならない。だからね、きっと大変だと思う。でも、もし本当に葵の事頑張るなら、私全力で応援するから!」




梨奈ちゃんは力強く言った。
好きだとか、どうとか、私には未知の世界。
でも、葵くんの事をもっと知りたいと思う気持ちは本当。

葵くんが他の人とキスしているのを見て、嫌だと思ったのも。
知らないと言われて、傷ついたのも。

全部本当。





「私、葵くんの事もっと知りたい。…もう、逃げたくない。葵くんと仲良くなりたい」


「そっか。うん。応援する!」





私にできるだろうか。
恋なんて、わからない私。
好きなんて気持ちわからない私。


そんな私が、葵くんみたいな人を。





「とりあえず、デート!」

「…え!?」





さっきまでの真剣さはどこへやら、梨奈ちゃんは楽しそうに笑った。