「…ン…、ふふっ…ぁ…」
気持ちが焦っていた私は、その声に足を止めることができなかった。
階段の踊り場、そこに差し掛かった時その光景を目の当たりにするまで、全く気付かなかったのだ。
「え……」
目の前に、壁に追い込まれ、壁に手をつき覆いかぶさるような態勢で、キスをしている二人―――――…。
男の人の髪は、綺麗な金髪だった。
葵くん…?
ドクンッ
胸が、痛むように鳴る。
足が、固まり動かない。
「なに」
「あ…」
唇が離れ、女の子がこちらに気づく。
怪訝そうに腕の中から私を見る。
とても、綺麗な女の子だった。


