お酒を飲みながらの晴香先生のおしゃべりは止まらない。


そのうち笑いだした。


「高橋先生は誰かを好きになった事あります。」


高橋先生があるに決まってるでしょと答えると。


「ですよね、36才にもなって恋愛した事がないなんて、かなり引きますよ。」


高橋先生の顔は真っ赤だった。


止めた方がいいかな。


「付き合った事はあるんですか。」


高橋先生は黙ってしまった。


これはかなり不味い。


「勝手に流星の事恋人と思ってた訳で、それは勝手な思い込みですよ。」


高橋先生は両手を握りしめて俯むいた。


私が晴香先生の話を止めようとすると、それを流星が止める。


「中途半端な優しさは高橋先生を傷つけるだけだ。俺が高橋先生を好きになる事はない。この先の未来も俺が好きなのはみやだけ。」


流星のことばは素直に嬉しいけど、高橋先生の事を思うと素直に喜べない。


高橋先生にかけることばもみつからなかった。