私は敬祐には大丈夫だからと伝え、明良さんと二人で流星の病室へ向かった。



緊張する。


病室に入るとベッドに座っていた流星が私を見た。


「こんばんはお元気でしたか。」



なんて、間抜けな挨拶をしてしまうと、流星がクスッと笑った。



「君の名前は。」



「私の名前は卯月雅、高校の音楽の教師をしています。以前流星さんも私と同じ高校で英語を教えていました。」



流星はしばらく考えているようだったが。



「ごめん、何も思い出せない。卯月さんと俺はどういう関係でしたか。」


卯月さんか。


もう、みやって呼んでもらえないのかな。


そう思うと寂しくなった。