あたしと松本は競い合うようにして、カラオケの中に入った。 競い合っていたけど、入るのはほぼ同時。 競歩によって、二人の息はぜはぜはと荒かった。 「梅澤は何号室よ」 「いちにさんごうしつ」 「123号室…」 松本は片手に持っていた携帯を開いた。 「あ…」 「は?」 「いやはや偶然。こんなこともあるもんだね」