「じゃぁ」 昂汰の骨ばった手が、あたしのあごをクイっとあげた。 あたしは昂汰を見上げなければならなくなる。 涙目で顔が赤いし、今の状態は見せたくない。 けれど、持ち上げられたあごはどうしようもなくて。 スイと近づいた昂汰のきれいな顔に、ドキンとなる。 この状況は…?! もしかして……!?