それは咲良と松本が付き合ったら、四人の関係が崩れると思ったから。 いくら仲良しだからって、昂汰と二人でいる理由なんてないから。 昂汰といっしょにいたくて。 だから松本が咲良を振ってくれてホッとした。 ホッとしたかわりに、咲良の気持ちはどこかにいった。 消えたわけじゃない。入れ場のない気持ちをどこにしまっていたんだろう。 ずっと咲良は松本を好きで、苦しんで。 泣いて、気まずくなって、それでもまだ”友達”で。 あたしは、咲良の”親友”なのに。